美しい世界の手仕事プロジェクト

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今年は秋が早いですね。天高く、空は青く、風もひんやりとしています。
そんな週末のある日、当ブログでおなじみの、炎の絨緞熱中人Sさん、手仕事クイーンTさんといっしょに、横浜は戸塚の静かな住宅地にあるWさん宅におじゃましました。

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(フィリピン)

瀟酒なWさん宅、外観はレモンイエロー色で南欧風。庭にはレモンも生っていて。
「さすが、おしゃれですねえ」と、みんなでにこやかに中へ。、、と、、
いきなり、わあ〜、、ウズベクじいちゃん人形軍団だあ!
吹き抜けを見上げれば、スンバの布が存在を主張!

リビングのテーブルには、ウズベキスタン各地の陶器にドライフルーツが。(感涙)
そしてお部屋中に、世界各地の工芸品が所狭しと、、。
ウズのものもたくさんあります。それも、とっても品質の良いものです。(感涙)
かと思えば、ヨーロッパのアンティーク・ティーカップ・コレクション。(高そう、、)
合間をぬって、お人形や絵画、カリグラフィー、工芸家具なども。たくさんのステキなモノ、モノ、モノ。

ていうか、、驚きはまだまだ入り口だったことに、この後、私たちは気づきます。
「2階へどうぞ」とWさん奥様K子さん。K子さんは、明るく行動的で優しくて、みんなが大好きなミセスです。相当な布好き、手仕事好きで、ご自身もいろいろと研究したり、作品を作ったりしていらっしゃることは知っていました。

まず、中央アジアの衣装や帽子、スザニ(刺繍布)など、かなりの数をお持ちでした。
衝撃だったのは、タジクの衣装の本。いただいたものだそうですが、ものすごい貴重な資料です。
これは何とか資料として生かさなくては!と強く思いました。ロシア語を訳してもらい、民族ごとの解説とイラストを合わせていけば、、こんな素晴らしい資料、そうそうないのでは!?

そして、カルチャーショックを受けたのは、フィリピンの衣装や布。
多くの島からなるフィリピンの衣装や布、、皆さん、どのようなものがあるかご存知でしょうか。
私たちは、見たこともほとんどなく、イメージもありませんでした。
フィリピンに25年間在住されていたWさんご夫妻。K子さんのコレクションは、25年現地に住んだ方でないと不可能かも、と思うようなディープなものでした。
そして、K子さんは「ある研究」をされているのです。そのノートを見て、私たちは唖然。
すごい、、、世の中には、きっとまだまだ知られていない分野について、すごく詳しいコレクターや熱心な市井の研究者がいらっしゃるんだろうな。
知れば、多くの人が、その地や、その工芸に思いを馳せ、イメージが広がるだろうな。
工芸や手仕事は、そんな力を持っている。
だって、ややこしいことは抜きにして、圧倒的にきれいで、繊細で、優雅で、生命力にあふれているのだから。

未知のきれいなもの、世界の丁寧な手仕事との出会いの場。やはり大事なんだなあ、とあらためて思った初秋の一日でした。
おいし〜いごはんまでいただいて、Wさん、どうもありがとうございました。(私たち、8時間も話し続けたんですね!ホントにおじゃましました!!(((*^_^*))))!

以下、今回アトランダムな写真のみ&キャプションなしです。いつかみんなで何かできる日まで!


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(見る、触る、驚く)


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(タジクの民族衣装、パターン。詳細なサイズまで。こんなの、あるんですね!)


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(カラカルパクスタンの民族衣装、胸部分刺繍)


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(フィリピン、以下同様)


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(袖部分)


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(インドシナの少数民族の布を彷彿とさせる細かい細かい仕事)


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(ビーズ使いの技とセンスがすごいです)


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(あっけにとられたビーズ。実物は小さな小さな花模様にしか見えません)




*******   手仕事フェスタ-sui-Vol.2開催のお知らせ   ********

手仕事ファンの皆さん、お待たせしました。秋の手仕事フェスタ開催です!

「タイトルは、手仕事フェスタ-sui-Vol.2 ”アジアンスタイル”
横浜市の主催する横浜アジアンウェーブ2009への公式参加イベントとして、
行われる今回の催しは、横浜市内3箇所の会場で、それぞれ違ったテーマで展示や各種イベントを行います。」(エスニカさん作成のカッコいいオフィシャルブログより)

手仕事好きにはたまらないセミナーも多数開催!

オフィシャルブログ(ここをクリック)を、今すぐチェックしましょう〜☆☆☆
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by kizashinoj | 2009-09-15 00:19 | 展示品解説、関連情報

インドシナの染織 概要

VOL・3 『インドシナの染織 〜暮らしの中心に布のある人々 ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー〜 』


●期間
・8月28日(木)〜9月7日(日) 水曜休館
・11時〜17時半

●会場
・ハウスクエア横浜(横浜市都筑区中川1丁目4番1号/横浜市営地下鉄「中川」駅から徒歩2分)住まいの情報館2階エスカレーター横ギャラリースペース
・アクセス等はこちらよりご確認ください
・この記事の最後にも道順のご紹介があります

●趣旨
・ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイなど、インドシナの国々では、古くから布が生活に欠かせないものとして生活の中にありました。
・クメール民族の高い芸術性を表したアンコールワット遺跡群のレリーフ(壁画)に登場するアブサラス(天女たち)は、天上の神様から色とりどりの絹糸を地上にもたらした女神であると言い伝えられています。
・正装用の腰の布や肩掛けなどはもちろん、普段着でもさっと布を纏うだけで正装する意味となり、大切なお客様に対しても失礼にあたらないと言われています。
・もちろんその地域や民族に伝わる文様は、先祖から受け継がれた織り手の心が織り込まれていることでしょう。
・大切な赤ちゃんを病気から守ったり、尊敬される長老の長寿や家族の健康を願い、身に着ける人々が守護霊とともにあるように、心を込めて織られたり刺されたりしてきた布たちばかりです。
・今回は、柳清子さん(ラオス)、望月真理さん(ベトナム)、ユンリーカクダさん(カンボジア)のコレクションを中心に、インドシナ全般からたくさんの布たちをご紹介いたします。

●イベント〜レクチャーなど

▼ラオスのスライド上映&レクチャー『古き良き時代のラオス』
・8月30日(土)13:30~15:00
・講師:コリン・グラフトン
・元ユネスコ職員だったコリンさんが撮った1970年代ラオスの貴重な映像です(聴講無料)

▼スライド&レクチャー『ベトナムの山岳民族』
・9月2日(火)、7日(日) 各日13:30~15:00
・講師:望月真理
・2日「ベトナム北部の山岳民族」(華やかな民族衣装満載の映像)(聴講無料)
・7日「ベトナムのロロ族など」(奥地少数民族の貴重な映像)(聴講無料)

▼望月真理・刺繍ワークショップ(シリーズ2回目)
・9月5日(金)、6日(土)13:30~15:00頃まで
・材料準備の都合上、各日とも先着20名まで
・費用:材料費実費として1000円。針、糸、布は用意します
・望月真理さんを囲んで、ベトナム山岳民族アカ族に代表されるの三角形のアップリケ技法を習います
*お問い合わせが多いため、電話まはたメールでの予約をお受けしています。お申し込みは下記までどうぞ。
<予約> tribe 榊(さかき)まで
携帯:  090−9133−9842
メール: tribesakaki@ybb.ne.jp


** 会場飾り付けの様子を一部ご紹介します **

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(柳コレクションより)


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(望月箱)


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(望月コレクションより)


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(カクダコレクションより)


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(インドのカゴに布)


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(飾り付けもそろそろ仕上がり近そう、、)
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by kizashinoj | 2008-08-19 15:37 | 08年インドシナの染織展
例年より早い桜の開花予想がちらほらとではじめた今年の3月のある日、私は打ち合わせの場所である「ハウスクエア横浜」に向かっていました。部族絨緞を蒐集販売するSさんとパキスタン帰りのMさんもいっしょです。

住とインテリアの総合情報施設である「ハウスクエア横浜」のライブラリーは、住関連の国内外の書籍や雑誌が充実しており、しかも空間的にも広々としてゆったりしています。壁面は白です。スッキリしているのもいいのですが、何か飾って演出しても映える壁面です。

そこで、ハウスクエアのKさんの発案で、キリムなどの手工芸品、本物のきれいなものを飾ってはどうかということになり、打ち合わせに出かけたのです。Kさんとは長いつきあい。ミーハー感覚がナイスな女性です。彼女が「本物」を求めているというのはこれからのトレンド、「兆し」の指標。心強い、そして、うれしい!

ライブラリーに隣接したスペースや小部屋での展開も考えているうちに、Kさんが2階に向かいました。(事情の詳細は省略しますが)そこには、広い空間がありました。聞けばなんと150坪!フローリングとコンクリート打ちっぱなしが半々の面白いスペースです。「これを、、?」。

そうです。この空間が、今回期間限定で、世界の本物、きれいなもの、手仕事を展示することになったスペースでした。その後の経過の詳細は省略しますが、結論=「期間限定だが、来場者や地域の皆様に、本物を紹介する機会作りとして、空間活用OK」とうことになりました。ありがとうございます〜!


Sさんは「コンステレーション(CONSTELLATION)」というコンセプトを考えていました。「星座」「美しいものの集まり」「配置、布陣、型」「心理精神分析のことばで、刺激布置(まとまりを持った刺激の配列)、布置(ある概念を中心とする思考や感情のグループ)」などの意味があるそうです。

これについてSさんは、河合隼雄さんの「コンステレーションとは一種の示唆であり、気づかせなのである」「ユング心理学では心の中の状況と外的に起こることがうまく合致して、全体として何かが星座のようにまとまることをコンステレーションと呼んで大切に考えている」という言葉も紹介しています。


こうしたなかで、「第1回の企画は、バングラデシュのカンタでいこう」、手仕事プロジェクトの打ち合わせのなかで、それは自然な合意でした。

4年前の夏、その年の夏も暑かった。Sさんをはじめとする絨緞好きの仲間たちとおとずれたのは、福島・いわきにある望月真理さんのお宅兼アトリエの古民家でした。竹やぶのある庭と縁側の広い古民家、いい感じなんですよね〜!

刺繍家である望月さんは、インドや雲南をはじめとするアジアの刺繍や布のコレクターでもあります。ふと通りがかりに発見して一目惚れした古民家を長い交渉を経てアトリエにしたのが望月さん70代の頃。たとえ背負われても、布を求めて雲南の崖もよじのぼって行きます。でも気負っているわけではない。自然体の行動力という感じです。

夕食は、先生のお弟子さんたちや地元の方々が、手作りのおいしい料理、いわきならではのお惣菜を持ち寄ってくださいました。新鮮な魚や野菜が、もうとびきり美味しくて、飲んで食べて語りました。(私たちが作ったのは、自称「トムヤムクン」、実際「ヤミ鍋」)。

花火でも盛り上がりました。子どもみたいに大騒ぎ。座敷に布団を敷き詰めて寝たのも楽しい思いでです。


そして次の日、待望のコレクション拝見。、、、圧倒されました。素晴らしいコレクションでした。とても全部は見られず、一部だったのですが、拝見したもののなかにバングラデシュのカンタがありました。

カンタ、、見たことはありました。素朴な民衆の刺繍という印象を持っていました。

望月さんのカンタも、同じように素朴で、手仕事のあたたかさがありました。でも、それだけではない、なにかとてものびのびしたものを感じたのです。どこか「突き抜けている」感じというか、、。

のびのびと描かれた自然や人々、ユーモラスでゆったりした感じ、チクチク刺繍を楽しんでいる様子。でも、そのおおらかさのなかに何か強いものがある。根本的な姿勢、視点のようなものがある。

とらわれず、ものごとを受容していく強さ、人生を肯定するたくましさ、否定しないあたたかさ、ユーモアで何かを乗り越えていく感じ。ほんわりしたテイストのなかに潜む駆動感や突き抜け感。自由、自由だと私は思いました。精神が自由なのだと思いました。

数あるカンタのなかから、望月さんが惹かれたもの、望月さんの眼が選んだもの。望月さんの個性、生き方と波動が重なり合うもの。セレクトされたカンタからあふれる、おおらかで自由な精神のありように、蒐集とはこういうことなのかと思いました。

そして、このカンタをたくさんの人に見て欲しいと思いました。とくに若い人に。将来に対する漠然とした、しかし強い不安。そのなかで閉ざし、受容せず、萎縮してしまった若い人たちに見て欲しい。もっとのびのびと開いて欲しいと思いました。

美しい世界の手仕事プロジェクトは、こうして始まり、怒濤のような準備の日々に入っていきます。
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by kizashinoj | 2008-06-03 21:00 | 08年始まり&準備日記

ていねいなもの、思いがこもったもの、自由な精神があふれるもの、美しい世界の手仕事に、もっともっと出会いたい。


by kizashinoj