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美しい世界の手仕事プロジェクト

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な、な、なんだ、これ!?
最初見た時、頭に浮かんだのは「和同開珎」。(想像力&ボキャブラリーが、、)
青銅器かと思いました。

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(うわさの「なべしき」。ここは蕎麦屋ですが、長く一般家庭で作っていたそうです)

正解は、、食べ物。餅なんです。その名も「なべしき」。見たまんま。
よもぎ入り。よもぎ色。とことん、よもぎ色。
いろりの上に吊るして保存すると、殺虫効果で長持ちするんだそうです。

水に浸して戻してから焼いて食べるそうです。
私は揚げたものを食べさせてもらいました。よもぎの香りがツーンとして、きな粉と良く合い、とっても美味しかったです。

ここはどこ?福井県池田町です。
有機農業が盛ん。ファームハウス経営や「農村力デザイン大学」「いなかもん学校」などユニークな取り組みが目白押しの、元気な山間地の農村です。

ときどき仕事で(と称して?)訪れているんですが、今回は地区の女性たちの一年分の味噌の仕込みの日程とたまたま合い、見学させてもらいました〜☆ 皆さん、テキパキと行動が早い。チームワークもすばらしい。マニュアルなんてなくても、さくさくと進みます。

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(麹、大豆、塩)

麹と圧力鍋で茹でた大豆、塩、さらに大豆の茹で汁(種水。この量が大事のようです。手で様子を見て決定)を混ぜ合わせ、機械で(手で押し込んでいきますが)ミンチ状にしていきます。

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(つぶしてこねる過程)

それをだんご状に丸め、容器にピシャっと投げていきます。空気を抜くんだとか。
私も投げさせてもらいましたが、ほわ、と、力ない音がしました。おばあちゃんたちはピシッ、ピシッとストライクの山!さすがですわ〜!

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(塩を少し敷いた上にだんご状の種を投げ入れる)

昔はもちろん機械もないので、すりつぶしていたそうです。量を考えると大変だ〜。機械は便利。

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(空気を抜きながらならしていきます)

池田の味噌は私も買って使っていますが、おいしいです。マイルド。豆だけ食べてもおいしいですからね〜。

次の日は、山菜や里芋のお惣菜作り&噂の「ぼたもち」作りを見学。
山菜って保存や戻すなどの準備が大変。ほんとに皆さん、働きもの。

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(山菜やタケノコ。ここまでが大変ですよね!)

ぜんまいは炒め煮にしますが、大鍋いっぱいのぜんまいの重量はハンパじゃない。
「ジムでけっこう鍛えてるし、最近体力ついてきて」とほざいている私J、なんと一混ぜもできませんでした。ショック、、

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(ゼンマイ、重い!)

残念ながら山菜総菜で役に立てない私、餅のコーナーに向かいます。
栃(とち)餅作りです。栃はものすごく手間がかかるそうです。だから今やとてもとても貴重。
そんな栃を惜しげもなく使います。独特の匂い。なんというか、、濃い木の匂い。

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(栃餅作り)

つきたてのアツアツの餅に、これまたアツアツの小豆あんをからめてぼたもちにします。これならJもできます。指についたあんは、あったかくてやさしい甘さ(*^_^*)。
栃餅のぼたもち、「とちぼた」と呼ばれます。

そして次は「いもぼた」作り。いもぼた?
餅米に蒸した里芋(超クリーミー、もうこれは別物!)を加え、すりこぎでつぶします。これに小豆あんをたっぷりからめます。あちあち〜!!小豆もアツアツなので、手が鍛えられます!
里芋が入ることで食感も軽くなり、食べた後ももたれない。ヘルシーなところが今風かな。
もともとは、昔、米が足りないのを芋で補ったのだとか。

つまみ喰いの合間に、Jもシール貼りのお手伝い。たくさんではありませんが、地元のお店にも置いているんですよ。賞味期限やバーコードやロゴや原材料や、、シールの種類が多いところが今ですね。作成含めてかなりの時間がかかります。
今どきの人、とくに若い人は賞味期限に敏感らしいですね。ちょっとくらい過ぎていても食べられるんですけどねえ。即捨ててしまうのも、どうなんでしょうねえ。情報主導、なのかな。

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(「いもぼた」。シールを貼っていく。ロゴやイラストは農業研修中の若い女性が描きました)

そんなことを考えながら材料を記入していると、「ハイ、ご飯にしよう!」とリーダーの力強い声。「まかない」です。みんなでランチ!
作り立てのお惣菜や持ち寄った各家のおかず、外出時に買ってきためずらしいもの、そして炊きたてご飯。とくに濃厚な大豆のスープが、絶品でした。

バスの時間が来ました。
たくさんのお惣菜や「いもぼた」「とちぼた」までいただいて、とてもうれしかった。
皆さん、どうもありがとう!
山菜の頃に、また行きたいな。

今回は、食の手仕事のお話でした。

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(池田滞在中は、こんな食事。これは昨年秋の滞在時の朝ご飯。だからリフレッシュするのかな。食は大事だ〜☆)
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by kizashinoj | 2010-01-30 22:36 | 日々
このところ「ボタン」のことを考えています。そう、服などのボタン、です。

(* ボタンの写真をアップしたいと思い、自分の写真、持っている本、見てみましたが、、なんとどこにもボタンがついてません。いかに自分が「結ぶ文化」の地域が好きな人間か、あらためてわかりました。そんなわけで「ボタン機能の替わり」の手仕事写真が中心になりました。)

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(ベトナム山岳民族衣装。望月コレクションより。ボタンは装飾)

皆さんのおうちのどこかに、ボタンたちが眠っていませんか?
カンの中、ビンの中、袋の中、引き出しの中。重なりあってスヤスヤ眠っているのでは?

洋服を処分するとき、布はいたんだり流行に合わなくなっても、ボタンは元気。
何の問題もないボタンを捨てるのは、どうも思いきれず、取っておいたものがあります。
洋服を買ったときに、とも布とボタンがついているものもあります。それを使うことはまずなくて、結局新品のボタンが残ります。

J、ボタンというものがなぜか好きで、中目黒や表参道のボタン専門店で、かわいいボタンを時々買っていました。

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(フィリピン民族衣装。渡辺コレクションより。これはボタン?)

先日、これを思いきって整理しようとして、ふと思いました。私だけ?手仕事好きの方々やモノを大事にされる方々は、ボタンを取って持っているのでは?
回りの友人に少し聞いてみました。

すると、やはり「取っている」。それが「たまっている」。それを「使うことはあまりない」。とのこと。
なかにはファスナーも取って保存しているという人たちもありました。

使われずにたまっているボタン、日本全体でた〜〜〜くさんあるでしょうね!!
一方で、着たきりのTシャツの子供たちの写真も見ます。ボタンって、一つなくてもとても困るもの。だから替えボタンがついているのでしょうし。

何かできないかな??
手仕事仲間に先日話をしました。
すると、、さすがです。えっと驚くアイデアが出てきました。
何かやってみたいな、と思うこのごろです。

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(遊牧民の毛織物。アクセント的な装飾。ボタンみたい!)

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ボタンって何??
ちょっと歴史などをチラ見してみたいと思います。

ネットでボタンを検索しているうちに「ボタンの博物館」が日本にあることを知りました(東京・日本橋)。服飾雑貨関連と思われるメーカーが、約1600点のコレクションを元に運営されているようです。
そのホームページに、教えていただきましょう!(下記[ ]内はボタンの博物館ホームページより。)

* 起源==[最も初期の貴重なボタンは、エジプト、ギリシャ、ペルシャで発掘されたもので、これらのボタンのあるものは、紀元前4000年のもので、エジプトの発掘品の中に見つけることができます。古代エジプトの護符で、太陽神ケペラを象徴する黄金虫の一種を形どった、装飾を兼ねたお守りである“スカラベ”や花を形どったもので、ボタンの形をしているが、衣服を留めるものではなく、おそらく権威を表す装飾品、印章、バッジとして用いられたものと考えられます。]

* 語源==[ボタン「button」の語源について定説はないが、古代ゲルマン語の「button」と古代ラテン語の「bottanei」がその出所とされており、ポルトガル語の「bot頴」から転訛したものと思われます。 言葉の意味は“花の蕾”です。日本で「ボタン」という名が用いられたのは、江戸時代中期だといわれています。故実家・伊勢貞丈(1717〜1784)の「安斎随筆」に“和蘭国にてはコノブと言ふ、ポルトガル国にてはブタンと言ふ、それを言ひたがえて日本にてボタンと言ふなり”と記されています。]

* 日本==[明治3年(1870)11月22日、太政官布告により、当時の海軍の軍服にヨーロッパスタイルのネービールックが正式採用されました。ボタンは金地桜花に錨を飾り、大将より少尉に至るまで前面2行、各9個、後面2行、各3個、計24個の金属ボタンが使用されました。この史実にもとづいて昭和62年(1987)に日本のボタン業界は11月22日を“ボタンの日”として慶祝することにしました。]

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(オスマン衣装展より。結びの優雅さにクラクラ。オスマン衣装はすごいの一言!)

非常に興味深いですね!
やはり歴史的には西アジアのイスラム圏の文化で、その後ヨーロッパで発展したようです。
語源は、他の情報も合わせて総合すると、「花のつぼみ」という意味で、もともとはボタニカル的な世界発なのですね。
日本では、洋服が入ってからのもの。明治期の金のボタンは、さぞや威厳があったことでしょう。
Wikipediaでは「ボタンが日本に入ってきた当初、一般民衆はボタンを根付として珍重していた」との記述がありました。根付、あり得ますね!

* コレクター==[欧米では家族の思い出の服を処分する時にボタンをはずして残す習慣がありました。それは物を大事にする心で、永く使うために良い品を選ぶという形で、今でも使えるような立派なボタンが沢山残されております。女性の憧れの服でもあるシャネルのスーツは、ヨーロッパではボタンが良いから売れる服との評価がある位で、今でもスーツを処分する時にボタンを残しておけば、5,000円から10,000円で売れると言われるほど品質の良いボタンが使われています。英国にはBRITISH BUTTON SOCIETY、アメリカにはNATIONAL BUTTON SOCIETY と呼ばれるボタンコレクターの会があり、全米各地に支部が設けられ、毎年8月には1,000人近くが集まる大会が開かれ、自慢のコレクションを持ち寄り、競いあったり、交換会や即売会が行われております。]


ボタンソサエティのサイトを見ましたが、活動は活発。欧米ではボタンファンがこんなに多いなんて、まったく知りませんでした。工芸品的扱いであり、一種のステータスシンボルなんだそうです。交換会なんておもしろいですね〜!

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(遊牧民の袋はボタンやファスナーではなく結ぶ方式。これが、ちょっとやそっとでははずれないくらいきっちり閉まります!この結びを得意とするSさんです)

* お願い 「教えてください」 * シャツやコートなどのボタン、取って保存していらっしゃいますか? それを何かに活用されていますか? 何に活用できると思われますか? もしよかったら、コメント欄でお教えくださいませんか。楽しみにお待ちしています☆!(*^_^*)!☆
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by kizashinoj | 2010-01-19 20:02
寒さに負けず、うつわ歩き。
開催が1月18日までということで、銀座松屋に大急ぎ。「川喜田半泥子のすべて展」。

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これまで川喜田半泥子さんの作品をしっかり見たことはありませんでした。
見て良かった、とても良かったです。
自由、破格と評される半泥子さんの陶芸、ご本人が楽しんで熱中して作陶している空気が伝わってきました。それがいいんです。
そののびやかさ、おおらかさに、見ている方が幸せな気分になってきます。

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織部、志野、備前など作風は「なんでもあり」。それがそれぞれ、いい味わいなんです。何でなくちゃいけない、というチマチマしたものがない。
でも、物まねではなく、半泥子さんらしさが共通してあるんです。
絵付けも軽やかで素敵でした。
また「銘」もおもしろかった。「夜寒」は体をちじこめている感じがしたし、「酔いどれ」は酔っぱらっているような感じ、「ほし柿」は干し柿みたいでした。
言葉も、軽やかな瞬発力という感じですね。

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(書画ものびのび)

陶器から書画、建築資料など、展示されている作品総数、約200点。何しろ多彩です。だからもっと数が多く感じました。
日本の陶芸の、大きくやわらかなふところ深さの中で、見ている私もゆったりと心遊ばせてもらいました。

ただ、会場が百貨店内の特設会場のため、狭さとゴチャゴチャした感じは惜しいです。最近、美術館、博物館の展示や見せ方の進化が素晴らしいため、それに慣れてしまっていた私、久々に、そういえば昔はこんな感じだったな、と思い出したくらいです。
とくに作品の照明が蛍光灯で、ストレートに当たるためにてかてかとしてしまい、説明文も光に反射して読めないものもありました。
また、来場者が多く、ゆっくりじっくり見るというわけにはいきませんでした。こういう展示に多くの人が集まるのは喜ばしいことですが、広々とゆったりと半泥子ワールドに浸れたらもっともっとシアワセだったでしょう。

半泥子さんの地元・津市内にある「石水博物館」に、いつか行ってみたいです。

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こちらは、出光美術館の「麗しのうつわ」。
見応えありました〜!良かったです。

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(出光美術館「麗しのうつわ」。野々村仁清「色絵芥子文茶壺」がキービジュアル)

野々村仁清の「色絵芥子文茶壺」に出迎えられ、やわらかいかたちとかわいい芥子の咲く様に見惚れ、、奈良時代の猿投(さなげ)窯に感動し、鍋島も味わい深い、、
展覧会、なんとも眼福、至福でございました〜!
ウズベキスタンの陶芸家さんたちに見せてあげたいな〜。

出光美術館の「麗しのうつわ」はこんな構成。↓

1)京(みやこ)の美−艶やかなる宴
千年の都・京に育まれ、王朝文化をやきものにあらわした日本陶磁の花、京焼を展覧。
やまと絵や和歌の世界を華麗な色彩であらわし、宴に集う人々の「和」を演出したやきもの。
野々村仁清、尾形乾山など名品にうっとりです。

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(貫入の美しさに見入りました。野々村仁清「色絵漏斗文茶碗」。なんと美しい/図録より引用)

2)幽玄(ゆうげん)の美−ゆれうごく、釉(ゆう)と肌
釉薬と土肌の織りなす「幽玄の美」に注目。
数百年も前に窯の中で流れた釉が、いまもみずみずしい雫の姿になって残る=奈良時代の猿投(さなげ)窯「灰釉短頸壺(かいゆうたんけいこ)」が最高でした。
絵唐津、朝鮮唐津も、ものすごく好き。
私Jのもっとも好きな世界がここにあります!

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(「朝鮮唐津上手付水注」。白釉が黒釉に溶け込むところが青みに変化。この青!!イスラムタイル好きのJにはたまりません!/図録より引用)

3)うるおいの美−磁器のまばゆさと彩り
江戸時代に生産がはじまる新しいやきもの、磁器の展開。
柿右衛門、古九谷、鍋島から昭和時代の板谷波山まで。
デザインナイスな鍋島と波山先生の一部は、とっても好きでした。
が、このコーナーで考えていたのは、「どうして私はこのテイストが苦手なんだろう。何が違うんだろう」ということ。柿右衛門、、こんなにかわいいのに、、どこかロココってる?

4)いつくしむ美−掌中(しょうちゅう)の茶碗
茶の湯のうつわ。長次郎、道入、板谷波山の「曜変天目茶碗 銘 天の川」など。


そんなわけで、また「見て歩記」を続けます☆
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by kizashinoj | 2010-01-15 23:02 | ミュージアム・展示会
もともと私Jは、美術とも工芸とも染織とも無縁の人生を歩いてきました。とくに日本のものには、ほとんど関心が向かいませんでした。
それが変わってきたのは、旅行や音楽を通じて興味を持ち始め、しだいに夢中になっていったイスラム建築(とくにタイル)や工芸、染織と出会ってから。
インドや西アジアや中央アジアのきれいなものを見ていくにつれ、日本ってどうだろうと振り返るようになり、自然に自分なりに比較したりもするようになりました。
最近はとくに、日本のものをよく見るようになっています。

Jの本ブログ「イスラムアート紀行」を現在休止しているのは、第1にはイスラム工芸をスタディしきれずまったく本が読めていない。たまる一方の本を何とかしないとどうしようもなくなったことがあります。
また結果、日本の話題が多くなってしまい、タイトルとそぐわないと思ったこともあります。
日本のことはこちらに主に書いて、イスラムアートに焦点を合わせる方がいいのかもという気持ちもありました。

そんなわけで、こちらでは気軽に日本の美術館のことも書いています。

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(展覧会チラシ)

東京国立近代美術館工芸館の『現代工芸への視点 装飾の力』は、今の私にとって、とても興味深いものがありました。

・・・ 「装飾に対する意識の高まりは、日常生活の中でも強く感じられ、さまざまな現象としてみることができます。身近なところでは、デコ電やネイルアートなどがその代表的なものと言えるでしょう。この現象は、個性を表現する工芸制作の中においても見られ、とくに近年、大きなうねりとなりつつあります。
ところがこうした動きは、実は、いまに始まったことではなく、縄文時代中期の火焔土器に見られる器体を飾る激しい造形や、桃山時代の絢爛豪華な意匠、明治時代につくられた器物に動物や植物を貼付けた輸出工芸品など、脈々と受け継がれてきています。
そして今日においては、過剰なまでに装飾を施し、作品というと立体を飾るためというよりも、まるで装飾するという行為そのものが目的になって立体を構築し、個性を打ち出している工芸作品が、盛んに作り出されています。
こうした作品からは、素材との密接な関わりを通じて、人と「もの」との原初的な関係を回復しつつ、新たなアプローチを模索しているかのような気配が感じられます。
本展では、装飾をひとつのキーワードとして、現代に生きる工芸に受け継がれた日本人の美意識をあらためて感じ取りながら、21世紀における工芸制作と表現活動の可能性を探ります。」・・・

なにしろ出展している作家さんが若い!20代、30代。
陶芸、漆、ガラスなど、いかにも日本の工芸。
ところがテクニックはスーパー!超細密です。
なんですか、この技量は、、!?

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(植葉香澄。キメラ、2009年)

模様は日本の伝統的なものが多く、配色もよく見れば多くが日本の伝統色です。
だから馴染みやすい。
でも、ポップpopなんです。
模様と色が日本の伝統なのに、すっごくポップに見えるのはなぜ?、、何が違うのかな、と見ていましたが、どうも造形が違うような気がしました。
オブジェだからかな?

普通、日本の工芸といえば、皿や鉢や壷や箱や衣装。
それが実際に使用されなくても、そのようなカタチをしています。
そして虎なら虎。百合なら百合。そのなかで技と匠を発揮しているような気がします。

今回の装飾の力では、それがないんですよね。
まさに装飾。

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(染谷聡。幼少期インドネシアに居住。そのときの影響があるとことです)

そして、基本は自分のための装飾。(人に見せるための装飾でも、根本は自分の表現)
王様やパトロンの好みに合わせる必要もない時代。といって、時代の寵児になり有名になりお金持ちになり、、そんなことも目指していない感じ。
作りたいから作っている感じ、が、ありありとしました。
たぶん、ものすごく楽しいのだと思います。
実際、作家さんのコメントの中には、夢中になる、好きでたまらない、自分の表現、といった言葉がありました。
とってもわかります。これ。

しかし、展覧会のテーマであり、新聞等で評されていた「過剰性」については、ピンときませんでした。
日本ってこんなんじゃないの、と思います。
昔から。伝統ですよね。
「デコ電」やネールアートとの関係づけもどうかなあ。

見ながら浮かんだ言葉は「元禄」。(想像力&ボキャブラリー不足!?)
文化の爛熟と、個人が自分の満足へひたすら向かうエネルギー、それを最も感じました。

おっと、爛熟、嫌いじゃないの?と言われそう。
そうですね。私最大嫌いなのは、退廃的な爛熟です。バロック最悪。日本の女性に人気のビクトリア朝なども私には意味不明。

今回の展覧会で感じた爛熟は、私好みのもの。生命感があったんです。
土好きの視点かもしれませんが、土で作り焼成するところに現実感があるような気がします。

怪獣のようなキメラ、好きでしたね〜。&話題になった「ティーカッププードル」も貴族テイストをポップに描いているのがおもしろかった。
日本の未来も大丈夫じゃないか、と思ったくらいです。
技量を惜しみなく発揮し、イキイキとしている若い作家さんたち、良かったですよ!
今回は図録を買わなかったので(写真がイキイキしてなかった。残念)写真がないのです。が、チラシのものは私が好きだったものとはちょっと違う。もっといいのがたくさんたくさんありました。

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(十四代今泉今右衛門。個人的には他の作品がより好きでしたがチラシ掲載はこれでした。素晴らしいですね〜!!)

なかでも最高に好きだったのは、十四代今泉今右衛門氏(1962年生まれ)の磁器。
「墨はじき」という白抜きの技法。清楚で気品があり凛として優雅。
鍋島のセンス!最高です。

さてさて、春に向けて、サントリー美術館の「おもてなしの美 宴のしつらい」、出光「麗しのうつわ 日本やきもの名品選」、新国立「ルーシー・リー展」、「近代工芸の名品 花」(近代美工芸館)など、見たいものが目白押し。
今年も歩きますよ〜!

あ、手仕事プロジェクトも動くかもです。
またご案内しますね。

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(御香宮神社破風。絢爛ですね〜。/『日本の配色』(ピエブックス)より引用)
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by kizashinoj | 2010-01-08 22:58 | ミュージアム・展示会

ていねいなもの、思いがこもったもの、自由な精神があふれるもの、美しい世界の手仕事に、もっともっと出会いたい。


by kizashinoj