美しい世界の手仕事プロジェクト

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日本のアート環境を支える市民コレクター

美しい世界の手仕事プロジェクトのスタートと関わるお話が、日経新聞(11月5日)に載っていました。

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(美しい世界の手仕事プロジェクト2008ア「アフリカンデザイン」展示より/クバの布等、すべてコレクターにお借りしたものでした)

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「アートを支える人々 〜個人が収集、作家を応援〜 」(以下要旨及び部分的に抜粋)

・収入に見合った作品を購入して楽しむ市民コレクターが増えるとともに、趣味の枠を超えてアートを支える動きが目立ち始めた。
・他のコレクターや美術関係者と連携してコレクションを公開したり、特定の作家作品を持ち寄って個展を開くなど。
・コレクションを積極的に公立美術館に寄贈することを通じて間接的に作家を後押しする動きもある。

・新潟市の芸術文化施設砂丘館では、昨年から個人コレクターに光を当てた展覧会をシリーズで開催している。現在開催中(4回目)展示は、サラリーマンコレクターの現代アート展示。
・「個人コレクションは収集家の自己実現そのもの。個性がくっきりと表れるのが面白い」(企画者である砂丘館館長)。
・「購入によって作家を支えるこうしたコレクターを地域で増やすことが大事」と注目している。

・最初から寄贈を前提に現代アートを蒐集してきたのは横浜在住のあるご夫婦。
・「子どもがいないぶん、才能のある若い作家を支援して社会につながりたかった」。
・「公立美術館に作品が入れば作家の評価も上がる」と考えこれまで20年かけて350点の作品を集めほとんどを複数の美術館に寄贈してきた。
・「公立美術館は評価の定まらない現代作家の作品を買いにくく、評価が定まる頃には高価で買えなくなる。そうした作家はコレクターが作品を購入して守るしかない」。

・市民コレクターのコレクションは収集予算を削られて苦しむ公立美術館を助けるとともに学芸員の刺激にもなる。
・県からの収集予算がゼロになった岐阜県美術館は今も個人コレクターの寄贈や寄付金で収集を続けている。
・「作品収集は美術館活動の骨格であり、学芸員の研究の源。目の肥えたコレクターの真剣な収集品と格闘することで学芸力も向上し専門の幅も広がる」経済が停滞する中でも各地のアートフェアは盛況。コレクターのすそ野は確実に広がっている」(館長)。
・死蔵するより公開を望むコレクターは多い。彼らの力を生かすには「ニーズのある地域や美術館とマッチングするシステムづくりも必要だろう」(同)
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まさに!トライブさんはじめ、プロジェクトメンバーもそんなふうに考えてきました。

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(美しい世界の手仕事プロジェクト2008より/望月真理さんコレクション、カンタ一部)

2008年の第1回美しい世界の手仕事プロジェクトも、望月真理さんの工房で素晴らしいコレクションを見せていただいたのが、そもそものきっかけでした。
「こんなにパワーがある手仕事を一人でも多くの人に見て欲しい!」という気持ちで突っ走ったのです。

そしてプロジェクトの中で、
*日本にはすごいコレクション(私たちの関心ジャンルでは世界の手仕事、とくに西アジア、中央アジア、東南アジア、日本など)の所有者が少なくないこと
*それが公開されていないこと
*世代交代の中で、コレクションの行方が微妙なこと
を感じてきました。

このような傾向は、今後さらに表面化してくると思います。

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(先日のNHKアジアンスマイルで紹介された工房の大皿)

思い入れと審美眼の賜物であるコレクション、多くの人に、とりわけ若い世代の眼に触れることを、共感の波が生まれることを願っています。

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(美しい世界の手仕事プロジェクト2008シルクロード展示より/O氏コレクション、ミラーワーク一部)
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by kizashinoj | 2010-11-05 14:38 | 日々

ていねいなもの、思いがこもったもの、自由な精神があふれるもの、美しい世界の手仕事に、もっともっと出会いたい。


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