美しい世界の手仕事プロジェクト

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陶、そのふところ深さに酔いしれる

寒さに負けず、うつわ歩き。
開催が1月18日までということで、銀座松屋に大急ぎ。「川喜田半泥子のすべて展」。

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これまで川喜田半泥子さんの作品をしっかり見たことはありませんでした。
見て良かった、とても良かったです。
自由、破格と評される半泥子さんの陶芸、ご本人が楽しんで熱中して作陶している空気が伝わってきました。それがいいんです。
そののびやかさ、おおらかさに、見ている方が幸せな気分になってきます。

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織部、志野、備前など作風は「なんでもあり」。それがそれぞれ、いい味わいなんです。何でなくちゃいけない、というチマチマしたものがない。
でも、物まねではなく、半泥子さんらしさが共通してあるんです。
絵付けも軽やかで素敵でした。
また「銘」もおもしろかった。「夜寒」は体をちじこめている感じがしたし、「酔いどれ」は酔っぱらっているような感じ、「ほし柿」は干し柿みたいでした。
言葉も、軽やかな瞬発力という感じですね。

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(書画ものびのび)

陶器から書画、建築資料など、展示されている作品総数、約200点。何しろ多彩です。だからもっと数が多く感じました。
日本の陶芸の、大きくやわらかなふところ深さの中で、見ている私もゆったりと心遊ばせてもらいました。

ただ、会場が百貨店内の特設会場のため、狭さとゴチャゴチャした感じは惜しいです。最近、美術館、博物館の展示や見せ方の進化が素晴らしいため、それに慣れてしまっていた私、久々に、そういえば昔はこんな感じだったな、と思い出したくらいです。
とくに作品の照明が蛍光灯で、ストレートに当たるためにてかてかとしてしまい、説明文も光に反射して読めないものもありました。
また、来場者が多く、ゆっくりじっくり見るというわけにはいきませんでした。こういう展示に多くの人が集まるのは喜ばしいことですが、広々とゆったりと半泥子ワールドに浸れたらもっともっとシアワセだったでしょう。

半泥子さんの地元・津市内にある「石水博物館」に、いつか行ってみたいです。

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こちらは、出光美術館の「麗しのうつわ」。
見応えありました〜!良かったです。

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(出光美術館「麗しのうつわ」。野々村仁清「色絵芥子文茶壺」がキービジュアル)

野々村仁清の「色絵芥子文茶壺」に出迎えられ、やわらかいかたちとかわいい芥子の咲く様に見惚れ、、奈良時代の猿投(さなげ)窯に感動し、鍋島も味わい深い、、
展覧会、なんとも眼福、至福でございました〜!
ウズベキスタンの陶芸家さんたちに見せてあげたいな〜。

出光美術館の「麗しのうつわ」はこんな構成。↓

1)京(みやこ)の美−艶やかなる宴
千年の都・京に育まれ、王朝文化をやきものにあらわした日本陶磁の花、京焼を展覧。
やまと絵や和歌の世界を華麗な色彩であらわし、宴に集う人々の「和」を演出したやきもの。
野々村仁清、尾形乾山など名品にうっとりです。

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(貫入の美しさに見入りました。野々村仁清「色絵漏斗文茶碗」。なんと美しい/図録より引用)

2)幽玄(ゆうげん)の美−ゆれうごく、釉(ゆう)と肌
釉薬と土肌の織りなす「幽玄の美」に注目。
数百年も前に窯の中で流れた釉が、いまもみずみずしい雫の姿になって残る=奈良時代の猿投(さなげ)窯「灰釉短頸壺(かいゆうたんけいこ)」が最高でした。
絵唐津、朝鮮唐津も、ものすごく好き。
私Jのもっとも好きな世界がここにあります!

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(「朝鮮唐津上手付水注」。白釉が黒釉に溶け込むところが青みに変化。この青!!イスラムタイル好きのJにはたまりません!/図録より引用)

3)うるおいの美−磁器のまばゆさと彩り
江戸時代に生産がはじまる新しいやきもの、磁器の展開。
柿右衛門、古九谷、鍋島から昭和時代の板谷波山まで。
デザインナイスな鍋島と波山先生の一部は、とっても好きでした。
が、このコーナーで考えていたのは、「どうして私はこのテイストが苦手なんだろう。何が違うんだろう」ということ。柿右衛門、、こんなにかわいいのに、、どこかロココってる?

4)いつくしむ美−掌中(しょうちゅう)の茶碗
茶の湯のうつわ。長次郎、道入、板谷波山の「曜変天目茶碗 銘 天の川」など。


そんなわけで、また「見て歩記」を続けます☆
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by kizashinoj | 2010-01-15 23:02 | ミュージアム・展示会

ていねいなもの、思いがこもったもの、自由な精神があふれるもの、美しい世界の手仕事に、もっともっと出会いたい。


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